日々の身だしなみを無理なく整える 心地よく過ごすためのヒント
身だしなみを整えることは、一日の始まりを心地よくするため、そして自分自身を大切にすることにつながります。身体の動きが以前よりゆっくりになったと感じる時でも、少しの工夫で無理なく身だしなみを整え、前向きな気持ちで過ごすことができます。ここでは、日々の暮らしの中で簡単にできる身だしなみのヒントをご紹介します。
着替えを楽にするための工夫
着替えは毎日のことですが、衣服の素材や形、着替え方によって身体への負担が変わります。
- 選びやすい服を選ぶ
- 前開きでボタンが少ない、またはマジックテープ式の服は、腕を後ろに回す動作が少ないため着脱が容易です。
- ストレッチ素材やウエストがゴムのズボン、ゆったりとしたデザインの服は、身体の動きを妨げにくく楽に着られます。
- 裏地が滑りやすい素材の服は、袖を通したり足を入れやすくなります。
- コーディネートをシンプルにする
- 上下セットアップの服は、組み合わせを考える手間が省け、迷わず着られます。
- 無地や柄が少ない服、あるいは普段から着慣れた色を中心に揃えると、組み合わせの失敗が少なく、短時間で準備できます。
- 着替える時のちょっとしたアイデア
- 椅子に座って着替えることで、バランスを崩す心配が減り、落ち着いて着ることができます。
- 上着は袖を先に通してから羽織る、ズボンは片足ずつゆっくりと履くなど、一つ一つの動作を丁寧に行うことを意識すると、転倒予防にもつながります。
- 衣類を整理整頓する
- よく着る服は手の届きやすい場所に置きます。引き出しの中も、立てて収納するなどして、何があるか一目で分かるようにすると選びやすくなります。
- 洗濯した服は早めに片付け、着たい時にすぐに取り出せる状態にしておくと、探す手間が省けます。
安全で快適な靴選びと足元のケア
外出する際だけでなく、家の中で過ごす際も、足元は安全に気を配りたいものです。
- 靴選びのポイント
- かかとがあり、足の甲がしっかり固定されるタイプの靴は、歩行時に脱げにくく安定感があります。
- 靴底が滑りにくい素材で、溝があるデザインの靴を選ぶと、雨の日や滑りやすい場所でも安心です。
- 靴の脱ぎ履きが多い場合は、伸縮性のある靴紐やゴム、またはマジックテープ式の靴を選ぶと楽です。
- 購入する際は、午後に試着すると足のむくみを考慮できます。実際に履いてみて、つま先に少し余裕があり、どこにも痛みや窮屈さを感じないか確認しましょう。
- 室内履きにも配慮を
- 室内でも、底が滑りにくい素材で、ある程度フィット感のある履物を選ぶと、家の中での転倒リスクを減らすことができます。スリッパは脱げやすく注意が必要です。
- 簡単な足元のケア
- 毎日、ご自身の足の状態を観察する習慣をつけましょう。傷や乾燥がないか確認します。
- 乾燥が気になる場合は、入浴後に保湿クリームを塗るなどのケアを行うと、肌トラブルを防ぎやすくなります。
清潔感を保つための手入れと工夫
髪型や顔の手入れも、自分自身を心地よく保つために大切な要素です。
- 手入れしやすい髪型
- 美容室や理容室で、ご自身でセットしやすい、あるいはあまり手入れがかからない髪型を相談してみましょう。
- 洗髪が大変な場合は、無理のない姿勢で洗える方法を考えたり、福祉サービスで利用できる理美容サービスについて相談することも一つの方法です。
- 毎日の簡単な手入れ
- 洗顔や歯磨きなど、日々の習慣を丁寧に行うだけでも、気分がすっきりします。
- 男性は髭剃りを習慣にする、女性は簡単なスキンケアや眉を整えるだけでも、顔色が明るく見え、自信につながります。
- 鏡でご自身の顔や全身を見る習慣をつけると、変化に気づきやすくなります。
無理なく身だしなみを整える時間を持つヒント
一度に全てを行おうとせず、ご自身の体調や気分に合わせて、できることから始めてみましょう。
- 毎朝、着替えの後に少し時間を取って、鏡で全身を見てみる習慣をつける。
- お気に入りの服や靴を一つ用意し、それを着る日を決めてみる。
- 「今日はこの服を着て、近所を少し散歩してみよう」など、身だしなみを整えることと外出や活動を結びつけてみる。
身だしなみを整えることは、決して難しいことや特別なことではありません。ご自身のペースで、心地よく過ごすための小さな習慣として取り入れてみてください。
まとめ
日々の身だしなみを無理なく整えることは、身体の動きがゆっくりになった時でも、自分自身を大切にし、心地よく日々を過ごすための有効な方法です。着替えやすい服の選び方、安全な靴選び、簡単な手入れの工夫など、少しのアイデアを取り入れることから始めてみてください。ご自身のペースでできる範囲で行うことが大切です。