体の声を聞く 水分補給で心地よい毎日を過ごすヒント
加齢に伴い、私たちは体の様々な変化を感じやすくなります。以前は平気だったことでも、少しずつ億劫に感じたり、疲れやすくなったりすることがあるかもしれません。こうした変化の一つに、体内の水分量の変化や、「喉が渇いた」と感じる感覚が鈍くなることが挙げられます。
水分は私たちの体にとって、とても大切なものです。体温を一定に保ったり、栄養を体のすみずみまで運んだり、不要なものを体の外へ出したりと、生命活動を維持するために欠かせない役割を果たしています。
なぜ水分は大切なのでしょうか
体が水分不足になると、様々な不調が現れることがあります。例えば、めまいやふらつきを感じやすくなったり、体がだるく感じたり、便秘がちになったりすることもあります。さらに水分不足が進むと、熱中症のリスクが高まることもあります。
特に高齢になると、体の水分量が若い頃よりも減少し、また喉の渇きを感じる機能も低下しやすいと言われています。そのため、「喉が渇いたな」と感じた時には、すでに体が水分不足の状態になっていることも少なくありません。意識的に水分を摂ることが大切になります。
毎日の水分 どのくらい摂れば良いのでしょうか
一日に必要な水分量は、活動量やその日の気候などによって異なりますが、一般的には食事以外に1リットルから1.5リットル程度を目安にすると良いと言われています。ただし、病気などで水分制限がある場合は、医師や専門家の指示に従ってください。
一度にたくさんの水分を摂るよりも、こまめに少しずつ摂る方が、体への負担も少なく、効率よく体に吸収されます。
無理なく水分補給を続けるためのヒント
日々の生活の中で、意識せずに水分を摂る習慣をつけるための具体的なヒントをいくつかご紹介します。
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飲むタイミングを決める 朝起きたとき、毎食の後、おやつの時間、入浴の前と後、寝る前など、あらかじめ飲む時間を決めておくと忘れにくくなります。「朝起きたらコップ一杯」「お風呂に入る前に一口」など、自分の生活リズムに合わせて習慣にしてみてください。
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手元に飲み物を置いておく いつでもすぐに飲めるように、居間や寝室など、普段過ごす場所に水やお茶を入れたコップや水筒を置いておきましょう。目につく場所にあると、自然と手に取りやすくなります。
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飲みやすいものを選ぶ 水が苦手な場合は、麦茶やほうじ茶など、自分が美味しく飲めるものを選びましょう。ただし、カフェインの多い緑茶やコーヒー、糖分の多い清涼飲料水などは、水分補給として摂りすぎない方が良い場合もあります。
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食事からも水分を摂る 毎日の食事も大切な水分源です。味噌汁やスープなどの汁物、煮物、果物やゼリーなどからも水分を摂ることができます。特に食欲がない時でも、汁物や果物なら摂りやすいこともあります。
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「喉が渇く前に」を意識する 特に暑い日や、少し体を動かした後などは、喉の渇きを感じる前に意識して水分を摂りましょう。「そういえばしばらく飲んでいないな」と思ったら、一口でも良いので飲んでみてください。
水分補給の際に気をつけたいこと
- 一度に大量に飲まない 特に冷たい飲み物を一度にたくさん飲むと、お腹の調子を崩すことがあります。ゆっくりと、常温に近いものを飲むのがおすすめです。
- 寝る前の摂りすぎに注意 寝る前に水分を摂りすぎると、夜中にトイレのために起きなければならなくなることがあります。寝る1時間前からは控えめにするなど、調整してみてください。
- 体調が悪い時は専門家に相談 発熱や下痢など、体調が優れない時は、いつも以上に水分が失われやすくなります。どのようなものを、どのくらい摂れば良いか迷う場合は、医師や薬剤師、地域の専門機関に相談してみましょう。
まとめ
日々の生活で、ご自身の体の声に耳を澄ませてみましょう。「ちょっとだるいな」「めまいがするかな」といったサインが、水分不足の合図かもしれません。
ご紹介したヒントを参考に、ご自身のペースで、無理なく水分補給を毎日の習慣に取り入れてみてください。こまめな水分補給は、体が心地よく働くための大切な一歩です。
体調と相談しながら、ご自身に合った方法を見つけて、健やかに毎日を過ごしていただけたら幸いです。